自治体DXの記事・事例
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GovTech Bridge事務局
「自治体DX推進計画」という言葉を聞いて、胸が躍る職員はどれほどいるだろうか。
多くの自治体では、国の方針に合わせ、ページ数の多い計画書を作成することに膨大なリソースを割いている。しかし、完成した計画書が現場の業務をどれほど変えただろうか。多くの現場では、今日も変わらず紙の書類が積み上がり、定時退庁は遠い夢のままである。
「計画を立てることは大切です。でも、現場の職員が『明日の業務が楽になる』と実感できなければ、DXはただの言葉遊びで終わってしまう」
そう語るのは、熊本県宇土市 デジタル推進室 担当者だ。彼らが実践しているのは、庁舎のデスクでシステムを検討することではない。現場の事務室に入り込み、汗をかきながら業務の「痛み」を共有することである。
本稿では、宇土市がどのようなプロセスで現場の信頼を勝ち取り、DXを「計画」から「実行」へと変えたのか、その泥臭い挑戦の軌跡を紐解く。
1. DXは「計画書」ではなく「現場の隣」から始まる
宇土市がDXを推進する中で最も警戒したのは、「DXを推進するためのDX」に陥ることだった。往々にして、デジタル化の推進は「システム導入」という手段にすり替わりがちだ。し...